【完全版】数珠(念珠)を持つ手は左手?右手?正しい持ち方・宗派別の違い・焼香や合掌時のマナーを徹底解説

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葬儀の知識
【完全版】数珠(念珠)を持つ手は左手?右手?正しい持ち方・宗派別の違い・焼香や合掌時のマナーを徹底解説


お通夜や葬儀、告別式、法要などに参列する際、必ず持参する仏具が「数珠(念珠)」です。しかし、いざ式場で手を合わせたりお焼香をしたりする段になると、ふと疑問に思うことがあります。

「数珠って左手と右手、どちらの手で持てばいいの?」「合掌するときや移動するとき、数珠の正しい位置や房の向きは?」「宗派によって持ち方のルールが違うって本当?」

数珠は単なる参列のマナーアイテムではなく、仏様やご先祖様と心を通わせるための大切な法具(ほうぐ)です。だからこそ、正しい持ち方や扱い方の作法を身につけておきたいものです。

この記事では、仏事や仏教の作法に精通した専門的な視点から、数珠を持つ手が「左手」とされる理由や由来、合掌・焼香・移動時の正しい持ち方、主要な宗派ごとの違い、やってはいけないNGマナーまで分かりやすく徹底解説します。

この記事を読むことで、どんな仏事の場でも焦ることなく、自信を持って正しく数珠を扱えるようになります。

1数珠(念珠)を持つ手は「左手」が基本マナー!その理由とは

結論から申し上げますと、葬儀や法要で数珠を持つ手は「左手」が基本となります。

移動中や座って説法を聞いているとき、あるいは焼香を行うときなど、片手で数珠を持つ場面では「常に左手に持ち、房を真下に垂らす」のが仏教における共通のルールです。

では、なぜ「右手」ではなく「左手」でなければならないのでしょうか?そこには仏教思想や古来の文化に基づいた明確な理由が存在します。

【数珠を左手に持つ2つの代表的な理由・説】

1.仏教思想における「清浄(仏界)」と「不浄・煩悩(現世)」の表現

2.数珠の起源であるインドの文化的背景(右手=浄、左手=不浄)

 

①    仏教思想:左手は「仏様の清らかな世界」を表す

仏教の教えにおいて、私たちの身体の両手にはそれぞれ異なる意味があると考えられています。

・      左手:仏様の世界(仏界)、清らかな心、清浄な世界を表す

・      右手:私たちが生きる現世(迷いの世界)、煩悩、日常生活での行為を表す

私たちは日常の中で、右手を使いさまざまな作業を行いますが、時には欲望や怒りといった煩悩から生じる行動(生き物の命を奪うことや、不用意な言葉など)をとってしまうこともあります。そのため右手は「現世の煩悩」を象徴します。

清浄な仏様の世界を表す「左手」に数珠をかけることで、自分自身の煩悩を静め、仏様の教えに近づいて心を清めるという意味合いが込められているのです。

②    インドの文化:左手(不浄の手)を数珠で清める説

数珠の起源である古代インドの習慣に由来するという説もあります。

インドの文化では、右手は「食事などを行う清浄な手」、左手は「トイレの後始末などを行う不浄の手」と明確に役割が分かれていました。この考え方が仏教とともに日本へ伝わった際、「不浄とされる左手に清らかな法具である数珠をかけることで、左手を清めて仏様に差し出す」という解釈が生まれたとされています。

どちらの説においても、「不浄や煩悩を清め、仏様へ敬意を表すために左手へかける」という本質的な意味合いは共通しています。

2場面別!数珠の正しい持ち方とマナー

実際の葬儀や法要の場では、場面ごとに数珠の持ち方が変わります。焦らずスムーズに振る舞えるよう、主要な3つの場面での作法を確認しておきましょう。

①    歩行時・着席時(合掌していないとき)

式場内を移動するときや、椅子に座って僧侶の読経を聞いているときなど、手を合わせていない状態での持ち方です。

・      持ち方:左手の親指と人差し指の間に数珠の輪をかけ、房を真下に垂らします。

・      ポイント:手首にブレスレットのように深く通してぶら下げるのではなく、指の付け根あたりで軽く持つののが上品で正しい持ち方です。

②    合掌(お参り)するとき

お仏壇やお棺の前で手を合わせてお参りする際の持ち方です。これは大きく分けて2つのパターンがあります。

・      パターンA(合わせた両手にかける):両手を合わせ、その両手の指(親指と人差し指の間)に数珠の輪をまとめてかけ、上から親指で軽く押さえます。

・      パターンB(左手にだけかける):左手だけに数珠をかけ、その上から右手をそっと合わせるように密着させます。

一般的にはパターンAの「合わせた両手に通す」形が多く見られますが、宗派によって指定の形がある場合はそれに従います。

③    焼香(しょうこう)をするとき

焼香台の前へ進み出て、お焼香を行う際の手元です。

・手順:

1. 焼香台の前まで進んだら、左手に数珠を持った状態で遺族・遺影へ一礼します。

2. 香炉の前で、右手の親指・人差し指・中指の3本で抹香(または線香)をつまみます。

3. このとき、左手にはずっと数珠を持ち続け、房を下に垂らしておきます。

4.    抹香を香炉へくべたら、再び両手に数珠をかけ直して深く合掌一礼します。

焼香をする右手(抹香をつまむ手)に数珠を持ち替えてしまう方が多く見られますが、焼香中も数珠は「左手」から離さないのが正解です。

3. 【宗派別】数珠の持ち方と形状の違い

数珠には、どの宗派でも使える「略式数珠(片手数珠)」と、宗派ごとに仕立てや珠の数が決まっている「本式数珠(108珠の二重数珠)」があります。

本式数珠を使用する場合、宗派によって合掌時の持ち方に独自の特徴があります。

【主要宗派における合掌時の本式数珠の持ち方】

・浄土宗:2つの輪を揃えて両親指にかけ、房を自分側へ垂らす

・浄土真宗:二重に巻いた輪を両手にかけ、房を左側に垂らす

・真言宗:二重の輪を伸ばし、両手の中指にかけて手のひらで挟む

・曹洞宗・臨済宗:二重の輪を左手にかけ、上から右手を合わせる

・日蓮宗:指にクロスさせてかけ、左側に2本・右側に3本の房を垂らす

 

①    浄土宗(じょうどしゅう)

「環(かん)」と呼ばれる金属のリングが2つ組み込まれた特徴的な数珠を使います。 2つの輪を揃えて両手の親指に引っかけるようにかけ、房を自分の手前側に垂らして手前に引き寄せるように合掌します。

②    浄土真宗(じょうどしんしゅう)

二重に巻いた輪を合掌した両手全体に挟み込むようにかけます。このとき、房は手のひらの下から左側(あるいは手前)に垂らすのが特徴です。

③    真言宗(しんごんしゅう)

108個の主珠が並ぶ長い数珠を伸ばした状態にし、右側・左側のそれぞれの輪を両手の中指に引っかけて、そのまま両手を合わせて平らに挟みます。房は外側に垂れます。

④    曹洞宗・臨済宗(禅宗)

二重に巻いた数珠を左手だけに掛け、その上から右手を被せるようにして合掌します。禅宗では余計な動作を削ぎ落としたシンプルな持ち方が好まれます。

⑤    日蓮宗(にちれんしゅう)

房が全部で5本(片側に3本、もう片側に2本)ある独特な数珠です。数珠を一回ひねって「8の字」の形にし、右手中指に3本房側を、左手中指に2本房側をかけて合掌します。

4やってはいけない!数珠の取り扱いにおける4つのNGマナー

数珠は仏様や故人様に対する「誠意と敬意の象徴」です。無意識のうちに失礼な扱いをしてしまわないよう、以下の4つのNG行為に注意しましょう。

【数珠の4大NG行為】

1. 畳や床、椅子の上に直接置く

2. 他人同士で数珠を貸し借りする

3. ポケットやバッグにそのまま裸で突っ込む

4. ブレスレット(数珠ブレスレット)を葬儀に代用する

 

NG:畳や床、椅子の上に直接置く

焼香や離席の際、数珠をそのまま畳や椅子の上、テーブルの上などにベタッと置くのは厳禁です。数珠は「清浄な法具」であるため、不浄な地面や人が座る場所に直に置くことは非礼にあたります。

一時的に置く場合は、数珠袋(数珠入れ)の上に載せるか、バッグや上着のポケットの中に収めるのがマナーです。

NG:家族や友人同士で貸し借りする

「数珠を家に忘れてきたから貸して」と、現場で家族や知人と貸し借りをするのは避けましょう。

数珠は「持ち主の分身(お守り・功徳を蓄えるもの)」であり、一人ひとりに結びついた個人的な法具です。貸し借りをするくらいであれば、「うっかり忘れてしまったため持たずに参列する(手だけで合掌する)」方がマナーとして適切です。

NG:カバンやポケットへ裸のまま入れる

バッグの底やポケットの中に数珠を裸のまま放り込んでおくと、房が折れ曲がって癖がついたり、糸が切れてしまったりする原因になります。保管・持ち運びの際は必ず布製の「数珠袋(数珠ケース)」に入れて大切に扱いましょう。

NG:パワーストーン(ブレスレット)で代用する

腕に付ける天然石のパワーストーンブレスレット(腕輪念珠)は、あくまで日常的なアクセサリーや日常のお守りです。正式な仏教行事・葬儀の場では法具として認められないため、必ず輪のついた「数珠(略式または本式)」を用意して参列しましょう。

5. 数珠の持ち方に関するよくある質問(Q&A

Q1. 左利きなのですが、焼香のときは右手で数珠を持って左手で抹香をつまんでもいいですか?

A. 焼香動作は右手で行うのが原則ですが、不便な場合は数珠を右手に持ち替えても失礼には当たりません。仏教の基本作法では「左手に数珠、右手で焼香」ですが、身体的な事情や左利きで右手を使うのが極めて困難な場合は、無理をする必要はありません。心を込めてお参りする姿勢(真心の供養)が最も大切です。

Q2. 自分の宗派と、参列する葬儀の宗派が違う場合、どちらの持ち方に合わせるべきですか?

A. 基本的には「ご自身の宗派の持ち方」で問題ありません。自分の家の宗派の本式数珠(または略式数珠)をお持ちであれば、自分の宗派の作法で手を合わせて差し支えありません。他家の宗派の作法が分からない場合でも、基本である「略式数珠を左手に持ち、両手で挟んで合掌する」という形をとっておけば、どの宗派の式場でも失礼になることは絶対にありません。

6. まとめ|数珠を左手に持ち、清らかな心でご先祖様に向き合おう

数珠を持つ手や扱い方のマナーについて、詳しく解説してきました。

普段何気なく手にしている数珠ですが、「なぜ左手で持つのか」「なぜ直に置いてはいけないのか」という理由を知ると、一つひとつの所作に込められた仏教の温かな教えや敬意の心が理解できるはずです。

・数珠を持つ手:どのような場面でも「左手」が基本(清らかな世界を表すため)

・合掌の作法:合わせた両手(または左手)に通し、上から親指で押さえる

・焼香時の作法:左手に数珠を持ったまま、右手で抹香をつまんでくべる

・注意点:畳や床に置かない/貸し借りをしない/数珠袋に入れて持ち運ぶ

 

細かな作法にとらわれすぎて緊張してしまう必要はありません。まずは「数珠は左手に持つ」という基本をしっかり押さえ、清らかな気持ちで故人様やご先祖様への感謝と追善の意を捧げてください。



 

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